※本記事は『佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」』に収録している文化放送「くにまるジャパン極」の放送内容(2018年10月19日)の一部抜粋です。野村邦丸氏は番組パーソナリティです。 カギとなる概念「外交特権」 邦丸: 今回行方不明になっている、と申しますか、殺害されてしまった可能性が高いカショギさん。彼の遺稿をワシントン・ポストが掲載していますが、それを読んでみても日本人の感覚だと、それほど「反政府記者」でもないのでは…と思ってしまいますね。サウジアラビアという国の特殊性が感じられます。 佐藤: 彼は「反政府」というより、王族に近すぎたんです。 邦丸: 近すぎた? 佐藤: 知りすぎているんです。それで、現体制にちょっと批判的になった。実は、政府の要職にも就いていますし、決して反体制活動家ということではない。むしろ、権力に近い人々の内輪揉めと考えたほうがいいと思います。 邦丸: なるほど。