うだるような暑さが続いている。東京都監察医務院によると、8月1~6日の6日間に都内で熱中症により死亡した人は39人に上り、そのうち37人が住宅内で死亡したという。 日本で住宅を建てる場合、気候風土について考慮に入れなければ、住む人の健康を害することになる。年間を通して気温が激しく上下し、沖縄や九州から北海道まで冷暖房が必要のない地域はなく、程度の差はあるが何らかの対策が必要だ。気温が高いうえに湿気も高いので、非常に厳しい環境での生活を余儀なくされる。 世界保健機関(WHO)は「健康を決定する要因」として、1番目の「平和」に次いで、2番目に「住居」、3番目に「教育」を定義している(ジャカルタ宣言、1997年)。健康な一生を送るための要素として、住宅は非常に大きなウェートを占めているのだ。 ところが日本では、住まいと健康が密接にかかわっていることへの理解が十分に達していない。『たしかな家づくり