「あ、このスプーン懐かしい。子どものころ、いちごをつぶして食べていたっけ」 帰省した際、実家の食器棚で久しぶりにいちごスプーンを見たという人もいるのでは。一般的なスプーンと違い、いちごをつぶしやすいように皿の部分が平らになっており、力を加えた際につるんと滑るのを防止する突起がついているのがいちごスプーンの特徴だ。 いちごスプーンを日本で初めて開発したメーカーを取材すると、現在も少量ではあるが生産を続けていた。そして、現在はいちごを食べる以外の用途にも使われるケースが増えているという。 消費者はいちごをどのようにして食べているのだろうか。食べ方によって、いちごスプーンの生産量にどのような影響を与えているのだろうか。 いちごスプーンの変遷を調べるにあたって、消費者がどのようにしていちごを食べているのか取材することにした。 とある地方都市で40年近く青果店を営む店主によると、かつては酸味が強く小