念頭にあるのは「使い手目線の建築家」。2016年4月の熊本地震に見舞われた熊本県甲佐町で、今夏にも完成予定の災害公営住宅(復興住宅)を設計した。昨年春から特任准教授として指導する芝浦工業大の学生と現地で被災者のニーズを聞き取り、人も自然も「風通しのいい」環境を目指した。 「建築は居心地の良い場所となる半面、人を傷つけることもある」。世界的建築家、伊東豊雄氏の事務所で働いていた11年3月、東日本大震災の被害に衝撃を受けた。それまでは東京・高円寺の演劇施設「座・高円寺」など公共的な建物の設計に関わることが多かった。 震災後、伊東さんが主宰する復興支援集会所「みんなの家」を東北各地に建てるため、被災地の人の要望を聞いて回った。「もっと住民の近くで、一緒に街づくりをしたい」と独立を決心した。 復興住宅では、仮設住宅で築いた人間関係が崩れ、再び孤立しがちだ。熊本の復興住宅では「人が集まるだけで救える
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