イタリア、ブデッリ島で孤立生活を続けてきたマウロ・モランディ氏。「刑務所にいるようなものです。でも、自分で選んだ刑務所です」と語った。(Photograph by Michele Ardu) 32年にわたり、イタリアのブデッリ島にたった一人で暮らしてきたマウロ・モランディ氏が、ついに島を去る。 1年前、世界が新型コロナウイルスの蔓延で隔離生活を強いられるようになった時も、自ら孤立を選んでいたモランディ氏は、生活を変える必要がなかった。 氏が島にやって来たのは1989年のこと。モランディ氏の双胴船は、地中海に浮かぶサルデーニャ島とコルシカ島の間でエンジンが故障して漂流、ブデッリ島に流れ着いた。そこで出会った島の管理人が2日後に引退すると聞くと、既に社会に幻滅しきっていたモランディ氏は、船を売って管理人の仕事を受け継いだ。 それから32年、「イタリアのロビンソンクルーソー」は島の唯一の住人であ
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