12月10 プラスチックを作る不思議な細菌 カテゴリ:有機化学 近年注目を集めるプラスチックに「ポリ乳酸」があります。文字通り乳酸の分子が縮合して長くつながったもので、ポリエステル類に分類される高分子化合物です。 ポリ乳酸が注目されるのは「生分解性」であること、また「カーボンニュートラル」であるという二つの性質によります。前者の「生分解性」というのは細菌などの生物によって分解されることを意味します。乳酸同士をつないでいる脂肪族エステル結合は基本的に安定な結合なのですが、生物界に広く存在する「エステラーゼ」と呼ばれる酵素によって切断され、最終的には単量体の乳酸にまで分解されてしまうのです。つまり他のプラスチックのように環境にいつまでも残存せず、自然界に返って行くプラスチックであるわけです。 (ポリ乳酸) 二つ目の「カーボンニュートラル」というのは、このプラスチックが「大気中の二酸化炭素を増や
とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。Prudic KL, Oliver JC, Sperling FA. The signal environment is more important than diet or chemical specialization in the evolution of warning coloration. Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Nov 28; [Epub ahead of print] PMID: 18029450 [PubMed - as supplied by publisher] 擬態しているのでない限り、警告色というのは警告の背景となるものがあって初めて意味を持つ。有毒であるとか、不味いとか。そうでなければただ目立つだけであり、捕食者にしてみ
ニューロサイエンスはおそろしく広大な分野です。脳と意識についてこれから勉強したい人や、研究をしている人にも面白いと思えるような情報源を目指します。 以前紹介したTemple GrandinのAnimals in Translation という本でおもしろい話があった。 なぜサルはヘビを怖がるのか?スタンダードな考え方は、おそらく次のどちらかだろう。 ① 進化の過程で脳のなかにヘビのようなひょろ長いものを恐れるような回路が出来上がっっている。とくにアミグダラ(扁桃体)などで、ヘビに反応する回路が生まれながらできている。 ② 個体ごとに、過去のヘビとの接触した経験から、ヘビは恐いと学習した。 どちらも、ありそうな話だが疑問が残る。①の場合は、そもそもDNAにヘビとはどういうものかという情報が何らかの形で刻み込まれていなければならない。例えば、視覚野のヘビ風の特徴をコードすることになるエリアから
ロボット・ゴキブリで群れを操作――害虫駆除などへの応用も 2007年11月16日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) Nicholas Thompson 15日の『EurekAlert』に、非常に興味深い論文が紹介されている。ゴキブリの集団にロボットのゴキブリを潜入させることで、その集団を操作できることが実験で明らかになったのだ。 複数のロボット・ゴキブリ(見た目は本物とはまったく異なるが、ゴキブリのフェロモンでコーティングされていて、ゴキブリのように動くようプログラムされている)を集団に送り込む。すると、残りの集団がこのロボット・リーダーについて行く。たとえそれが隠れ家に適さない、光を当てられた場所であっても。――それはまるで暴風雨の中、エイリアンのグループが、タイムズスクエアにいるすべての人をブライアントパークの真ん中に移動させるかのようだ。 [実験は、ブリュ
「地球最強の生物」クマムシ、宇宙でも生存できるか 2007年9月27日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (2) Brandon Keim 2007年09月27日 クマムシは、8本脚のモグラのような姿をした、微小な[体長は50マイクロメートルから1.7ミリメートル]無脊椎動物だ。 ありとあらゆる状況を生き延びることができる。飢餓や乾燥も問題ない。真空や深海の圧力も大丈夫[7万5000気圧まで耐える]。 151度の高温やほぼ絶対零度の極低温だって平気だ。放射線照射にも耐える[ヒトのX線致死線量は500レントゲンだが、クマムシは57万レントゲン] 必要とあれば、クマムシは新陳代謝の速度を1万分の1に遅くして、水分消費量を通常の1%に抑えることが可能だ[通常は体重の85%をしめる水分を0.05%まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える]。 こういったクマムシと比べれば、ゴキブリだ
1 :ガラス工芸家(滋賀県):2007/10/18(木) 13:27:42 ID:WWHlD4RF0 ?PLT(12000) フィリピン南部のセレベス海の深海探査を行っていた米ウッズホール研究所と全米地理学協会のチームが17日、多くの新種を含む約100種類の珍しい海洋生物を採集したと発表した。 セレベス海は、最深部は約5000メートル。広範な未探査領域を抱えており、同チームは約2800メートルの深さまで、遠隔操作機材を使って探査を行った。その結果、珍しい姿をしたクラゲやナマコ、フグ、エビなどを採集することに成功した。新種と確定するには、2、3週かかるが、既知のどの生物に含めたらいいかわからないものもあるという。セレベス海は島や砂州で囲まれ、一部は数百万年も他の海域から孤立しているため、他の海域に広がった海洋生物の起源となる生物が見つかる可能性があると期待されている。 ※グロ画像スレ注意 h
(07/18)私はいかにしてニセ科学批判者と呼ばれるに至ったか (07/17)産総研がバイオインフォマティクスのワークショップを開催するようです (07/12)IBMがゲノムビジネスに本格参入するらしい (07/11)ホメオパシー助産師のビタミンK2の問題が裁判になった (07/04)日本トンデモ本大賞2010オープニングムービー (07/03)トゥーリオ・シモンチーニのがん治療についてのまとめ (03/29)『「トンデモ」批判の政治性と政治の未来』にコメントしてみる (03/24)ニセ科学商品バイオラバーについてのまとめ (03/23)正しい目薬のさし方 (03/21)科学なポッドキャストをまとめて紹介してみる はじめにお読みください(1) サイエンスニュース(122) 宇宙開発・天文ニュース(78) サイエンストピックス(57) バイオニュース(155) バイオインフォマティクス(17
ゴキブリの学習能力は夜にアップする 2007年10月 5日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) Alexis Madrigal 2007年10月05日 バンダービルト大学の生物学者チームが、ゴキブリの嗅覚の記憶力は夜間のほうが優れていることを発見した。 『米国科学アカデミー紀要』のオンライン版で発表されたこの研究について、論文を執筆したTerry Page教授は、「昆虫の学習能力が自らの体内時計によって制御されていることを示した初めての例」と評している。 そもそも、ゴキブリにどうやって「学習」させるのだろうか? 研究では、バニラとペパーミントの2つの香りを用いる方法がとられた。 特別な条件がない限り、ゴキブリは生得的にバニラの香りのほうを好む。学習プロセスはまず、ペパーミントの香りがする砂糖水と、バニラの香りがする食塩水をゴキブリに与えることから始まる。すると、そ
昨日、バイオガスシステム研究会の月例会があって、大阪府立大学名誉教授の中野長久先生から食糧問題をテーマにしたお話を伺った中で、ユーグレナというあまり耳慣れない単細胞微生物のことが面白かった。資料なしの話をメモしただけのものに自分の解釈をいれているので間違いもあるかも知れないが、大勢に影響はあるまい。 現在世界で生産される穀物は年に17億トンだそうだ。穀物は人間が直接食べるという形で消費される以外に、牛や豚、鳥といった家畜を育てるのにも使われる。ステーキを食べるのは間接的に穀物を食べていることになる。この穀物生産量は過去毎年増加していたが、1990年頃以降頭打ちになっている。肥料の投入、品種改良、栽培法の改良、耕地面積の増加などが過去には貢献していたのだろうが、穀物生産性の向上に限界が来たようだ。 牛肉1キロを得るのに穀物が11キロ必要。豚肉の場合にはそれが7キロ、鳥はもっと少ない。ところが
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く