「サラ金崩壊」 グレーゾーン金利撤廃をめぐる300日戦争 井出壮平著 早川書房 2007年3月発行 1575円(税込み) 実に面白い本だ。2006年に起きた消費者金融、通称サラ金のグレーゾーン金利撤廃を巡る、業界、官庁、外資、政治家などの駆け引きを、共同通信記者として現場で取材していた著者がまとめたものである。コンパクトにまとまっているが、グレーゾーン金利とは何か。そもそも消費者金融業界にはどんな問題があったのか、誰がどのような思惑でどう動いたのか、結果として何がどうなったのかといった、知りたいことが、十分な密度で記述されている。 わたしとしては、ビジネスマン必読の一冊であると思う。 グレーゾーン金利については、当時マスメディアで何度となく解説されたから、覚えておられる人も多いだろう。 1954年以降、日本の貸し付け金利の上限は二つの法律で定められてきた。一つが、出