写真の世界でファイル形式というとKodak独自規格のPhoto CD(.PCD)が名高く、かつてはフィルム・スキャンと言えばこの形式だった。しかし、今では、扱いの難しい遺物と化している。そのPCDイメージの復活をLinuxシステム上で試みたので報告する。それは、デジタル・アーカイブにおけるオープン・スタンダードの重要性を示す実例でもある。 スライドやネガのスキャンを専門とするラボでは、Kodakが作り上げたスキャニング・システム、PCDが長年にわたって採用されてきた。性能が高く、APSサイズから大判に至るまであらゆる種類のフィルムに対応できるからだ。 そうしたラボでPCDファイルを制作するために使われていた機材はすでに販売されていないが、KodakのWebサイトには今もPCDに関する多くの情報が掲載されている。それを見ればわかるように、PCDは通常とは異なった形式を持っている。他社がほとん