法務省は先ごろ、コンピューターウイルスを作成した段階で処罰できる「作成罪」などを含む刑法と刑事訴訟法の改正案を、来年1月召集の次期通常国会に再提出する方向で検討に入った。組織犯罪を計画段階で取り締まる「共謀罪」の創設を盛り込んだ改正案を過去2回提出したが、いずれも廃案となったため、これと切り離してウイルス対処を先行させることとした。一般ユーザーには歓迎すべき法律だが、こちらの成立も紆余曲折がありそうだ。 法改正が実現すると、「ウイルス」と認定されたコンピュータープログラム作成者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることになる。法案提出のきっかけとなったのは今月4日、パソコン内部のデータをすべて魚介類の絵に変えてしまう「イカタコウイルス」の作成者(27)が、警視庁に逮捕されたことだった。 「イカタコ−」で適用された罪名は「器物破損罪」。ウイルスをばらまいて不特定多数のパソコ