たまにインタビューで、「これからどういう活動をするんですか?」と聞かれます。 そのたびに「とにかく、面白い作品を創るだけです」と答えます。答えながら、内心、「この『面白い』がやっかいなんだよなあ」と唸るのです。 『芸術実行犯 (Chim↑Pom著 朝日出版社)』は、じつに面白い本でした。 Chim↑Pom(チン↑ポム)は、岡本太郎氏の壁画に「原発」の絵を付け足した「アーティスト集団」として有名になりました。2011年5月のことです。覚えている読者もいるでしょう。 渋谷の京王線とJR線をつなぐ駅ビルの構内にある巨大な壁画の前を、僕は仕事の関係でよく通ります。 『明日の神話』と題されたこの壁画は、そもそも、左右の下の部分が少し欠けています。完全な長方形ではないのです。その一部、欠けた部分に、Chim↑Pomは岡本画伯とまったく同じタッチで、爆発した原子炉建屋とドス黒い煙を描いた塩ビ板をマスキン
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