なぜ、エクリプス日高は大井川鉄道のスポンサーとして名乗りを上げたのだろうか。 トーマス号という切り札を見つけたというのは大きな要因かもしれない。近年、首都圏近郊では、秩父鉄道や真岡鉄道、JR東日本の磐越西線・上越線など蒸気機関車を走らせる路線が増えて、SL運転の元祖である大井川鉄道の存在感が相対的に埋没していたのは否めない。他社と差別化を図る上でも、子どもたちにもお父さん世代にも人気の「きかんしゃトーマス」というキャラクターを使えるメリットは大きい。 情報発信力強化とツアー依存からの脱却がカギ そのトーマス号だが、昨年に3カ月間、走らせてみて課題も出てきた。トーマス号に話題と人が集中しすぎたのだ。 見物客もあわせると20万人の人が沿線に押しかけたと言うが、路上駐車や渋滞があちこちで発生し、住民たちからの苦情が相次いだ。一方で、通常仕様の「SLかわね路号」の空きが目立っていたのは気になる。井