認知症の女性(当時76歳)がデイサービス施設を抜け出し、 徘徊 ( はいかい ) 中に死亡したのは、施設側が注視義務などを怠ったためだとして、女性の遺族が施設を運営する社会福祉法人新宮 偕同 ( かいどう ) 園(福岡県新宮町)を相手取り、約2960万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、福岡地裁であった。 平田直人裁判長は「女性の動静を見守る注視義務を怠った」として、同法人に約2870万円の支払いを命じた。 判決によると、女性は2014年1月、通所中の施設を抜け出し、3日後に施設外の畑で凍死しているのが見つかった。女性はアルツハイマー型認知症と診断されていた。 平田裁判長は「女性には徘徊癖があり、施設側は警戒すべきだった。すぐに警察に通報するなど最善の対応も取らなかった」などと指摘。「女性が抜け出すことは予見できなかった」とした施設側の主張を退けた。
徘徊(はいかい)癖があった認知症の女性(当時76歳)が通所先のデイサービスセンターから抜け出し、そのまま死亡したのは施設側の責任として、女性の夫ら遺族3人が施設を運営する社会福祉法人「新宮偕同(かいどう)園」(福岡県新宮町)を相手取って計約2964万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁(平田直人裁判長)は9日、施設側の過失を認めて計約2870万円の支払いを命じた。 判決によると、女性は2012年11月にアルツハイマー型認知症と診断され、13年12月から施設に通い始めた。14年1月23日昼ごろ、施設非常口から抜け出し、3日後に施設から約1.5キロ離れた畑で死亡した状態で見つかった。司法解剖で死因は凍死と判明した。
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