これまで夫婦別姓の議論には賛否両論さまざまな意見が出てきています。旧姓を通称使用できれば夫婦別姓制度は必要ないのでは、という意見もあります。今回は鈴木さん(仮名)の実体験を通して、選択的夫婦別姓制度の必要性について考えていきます。 鈴木さんは40代の女性です。三姉妹の次女として生まれた鈴木さんは小さい頃から父親っ子で、大変可愛がられて育ちました。しかし、父親は晩酌の時によく「一人ぐらい男の子が生まれてくれたらよかったのになぁ」と言っていたそうです。「父は何気なく言っていたつもりかもしれませんが、私の心にはしっかりと残っていました。」と鈴木さん。 「父は、よく自分の故郷の話もしてくれました。そして私達三姉妹を自分の故郷にも連れて行ってくれました。そこには父の先祖の墓があり、その近くにある本家は家名を守り、墓を守ってくれていました。しかし実は本家は家名を継続していたけれど、子らが病気で亡くなる