福岡市のJR博多駅前の陥没事故から、8日で1年。原因となった市営地下鉄七隈(ななくま)線のトンネル掘削は中断し、現場は土砂や水で埋まったまま。再掘削の方法は決まったが、当初2020年度としていた博多駅への延伸区間の開業は、遅れる見通しだ。 7日に開かれた市の技術専門委員会は、事故前と基本的に同じ工法でトンネルの掘削を再開することを決めた。事故の再発を防ぐため、トンネル上部に高圧のセメント剤を噴射するなどし、人工的に硬い岩盤を築いた上で取りかかる。 事故はトンネル掘削中に軟弱な砂層に突き当たり、地下水とともに大量の土砂が流入して起きた。陥没した穴は、セメントなどに土を混ぜた流動化処理土で埋められた。処理土は一定の強度があるとされるが、周囲には弱い砂層が残る。 今後、地盤改良で再陥没を防ぎつつ、トンネル内の土砂や水を撤去。その上で再掘削を始める。 ただ、再掘削までには課題も残る。地中には陥没に