原っぱにたくさん草が生えていて、それをモグモグしている牛や羊はとてものどかで、おだやかです。 草食系という言葉に対して僕たちが抱くイメージは、おだやかで、ガツガツせずに充足し、ゆるやかな日常に幸福を見出す、そういうものだと思います。 2011年、日本は未曾有の危機に陥りました。震災のみならず、原発や経済問題、政治の不安定、そして従来から続く高齢化社会や雇用の不安定さなどの問題がミルフィーユのように数十段重ねとなって、いったい未来はどうなるんだと思えてくる情勢です。 しかし震災によって暮らしが大きく変わった人々がいる一方で、日本の多くの若者たちの目の前に茫漠とした不安な未来が横たわっていたのは、従来とまったくかわっていないというところなんじゃないでしょうか。 僕ら時代に育った草食系の若者(それは僕自身も含むのですが)が構築してきた哲学のひとつに、「自己充足」というものがあると思います。 様々