「MSXが死んでしまうことよりも、MSXが死ねなくなることの方が悲しい。」 中学の時に「MSX・FAN」という雑誌で読んだ編集後記のこの一文を、30年近く経った今でも覚えている。 かつて、MSXというパソコンがあった。1980年代に生まれたパソコンで、ファミコンと同じようにゲームソフトのカートリッジを差してゲームができるだけでなく、BASICやマシン語でプログラムを組むことで自分でゲームを作ることもできるし、ツールを使えばワープロにもなるしCGも描けるという、当時小学生で字が汚いと怒られていたり、絵が下手くそだと馬鹿にされていた僕にとっては未来と夢を詰め込んだ魔法箱のようなアイテムだった。 MSXはMSX(以降、規格を表すときはMSX1と書く)、MSX2、MSX2+、MSX Turbo Rと規格が進むに従ってスペックが高くなりできることが増えていった。それに伴ってサードパーティが作るソフト