これまでのあらすじ 2016年の2月の終わり頃,Raspberry Pi 3(以下,RasPi3)が発売されました. 日本では技適のいろいろがありまして,その1ヶ月後の3月終わり頃から秋月やマルツなどで購入できるようになりました. RasPi3の特徴は,Raspberry Pi 2まで採用していた32-bit ARMアーキテクチャのCPUではなく,64-bit ARMアーキテクチャのCPUを採用している点です. 32-bitから64-bitになると,CPUが1度の命令で処理できるデータの長さが32から64と2倍になるので,同じ処理なら一般的に64-bit環境で実行するほうが高速*1です. しかし,2016年3月はまだ公式から64-bit版のraspbianは提供されていないどころか,そもそもファームウェアが64-bitに対応していなかったために,簡単に64-bitのOSやプログラムを動かす