「これも縁です」という女性の言葉を、「自分のことが好きなんだ」と誤解してプロポーズして大失敗。こんな実体験を、インターネットで漫画に描き始めた北朝鮮からの「脱北者」がいる。同じ民族で同じ言葉を使っているのに通じない。脱北者が韓国でぶつかる壁が、漫画にはありのままに描かれている。 北朝鮮からの脱北の様子を、「ライブ」で見聞きしたのは初めてだった。 ソウル市の中心部から少し離れた場所で、チェ・ソングク(37)と会った。あいさつを交わすなり、彼は「緊急の用事ができてしまった」とことわりを入れながら、携帯電話で日本製のアプリ「LINE」を使って、誰かとメッセージのやりとりを始めた。 聞けば、相手は数日前に北朝鮮を抜け出し、ラオスに向けて中国の国内を移動している脱北者だという。「私が個人的に支援している1人です。中国とラオスの国境まで、まだ800キロも行かなければいけない。気は抜けません」 この脱北