居住する福岡市営団地の駐輪場に放置されている盗難自転車を持ち去ったとして、占有離脱物横領罪に問われた被告の男性(24)の判決公判で、福岡地裁は28日、「不法領得の意思があったとは認められない」として、無罪(求刑懲役10月)を言い渡した。 判決などによると、男性は窃盗罪で服役中。いったんは仮釈放され、5月下旬から住み始めた団地駐輪場で無施錠の自転車を見つけ、コンビニやスーパーへ行く際に無断で使っていた。盗難被害に遭っていたとは思わず、6月8日の警察官の職務質問で知り、逮捕された。 判決理由で溝国禎久裁判官は、男性が自転車を使うのは1回数時間で、駐輪場に戻している点に着目。「持ち去り」ではなく、「一時的な無断借用に当たる」と判断。約12時間使った職務質問当日についても「借用の域を超えていない」とした。 福岡地検は「判決内容を検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応する」としている。 (森亮輔)
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