「失われた20年」で若者の自殺が増加 年明け早々物騒な話ですが、日本は自殺大国といわれます。2012年の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)は23.1で、172カ国で9位です。社会的な統制が強い旧共産圏の国々ほどではないにせよ、先進国の中ではダントツです。 私は、社会病理学を専攻しています。 簡単にいうと、社会の健全度(逆にいうと病気度)を診断しようという学問です。人間の場合、病気かどうかを判断する指標として体温や血糖値などがありますが、社会の健康診断の指標としては、犯罪率や自殺率などがよく使われます。 犯罪率は警察の取り締まりの姿勢によって大きく左右されますので、私は、後者の自殺率がよいと考えています。自殺の原因は個々人で多様ですが、国民のうち自殺者がどれほどいるかという「自殺率」は、まぎれもなく社会の問題を反映しています。 エミール・デュルケムが名著『自殺論』において、自殺率を指標と
![絶望の国 日本は世界一「若者自殺者」を量産している](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bb33d6791ed1a6891cbcd0973691729cd58c0604/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F0%2Ff%2F1200wm%2Fimg_0f34b2ca73d00ad185da7218bbb7c18c68942.jpg)