2021年、ウクライナ侵攻直前のロシアから安価な密造酒で人々が死んだというニュースが度々伝わってきた。同年8月以降、安価な密造ウォッカが広まり、正規のお酒を買うお金のない人たちが飲んでいたが、メタノールが混入した有害なものも多く少なくとも70人以上が死亡したという。 幸い日本では、このようなことが起きる心配は少ない。日本ではお酒の取り扱いは国税庁が厳しく一元管理している。梅酒作りなどのわずかな例外を除けば、原則、酒税法に則ってきちんと審査されたお酒しか売買できない。最近、ブームのクラフトビールやクラフトジンなども、実は裏でちゃんとこれらの手続きを取っている。 節度のない自由が招く混乱 薬に関しても同様で、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で厳しく管理している。このコロナ禍で、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス用の飲み薬のために、通常手続きを省き短時