京アニ放火殺人の「実名報道」に「世論」という壁(1/2) 四十九日を迎えた、京アニ事件35名の犠牲者。戦後最悪の放火殺人の衝撃は、その報道のあり方にまで前代未聞の展開を引き起こしている。重大事件では大前提のはずの犠牲者「実名報道」の原則が、「世論の壁」によって曲がり角を迎えようとしているのだ。 *** 毎年9月11日。同時多発テロで2977名の命が奪われたNYのグラウンド・ゼロでは追悼集会が開かれる。そこでは遺族代表によってすべての犠牲者の名前が読み上げられるのが通例。すべてを読み上げるのに3時間以上はかかるが、参列者のある者は目を瞑り、ある者は前を見つめてその「名前」に耳を傾けている。... 記事全文を読む