障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺された事件の裁判を前に、犠牲者の遺族が名前を公表し、複数のメディアが実名を報じました。 いわゆる「実名報道」については、昨年も京都アニメーション放火事件で注目が集まり、警察に「実名発表」を求めた新聞やテレビが厳しく批判されました。 今回は遺族が「美帆は一生懸命生きていました。その証を残したい」と「実名発表」し、それをメディアが「実名報道」しました。これを批判する人は少ないでしょう。 では、どういうケースで「実名報道」が批判されるのか。 私はかつて新聞記者として事件報道を経験し、その後、アメリカのインターネットメディアの日本版編集長として様々な事例を見てきました。世界の事例やデジタル時代の新しい論点も含めてまとめます。 「実名発表」と「実名報道」は異なる大前提ですが「実名発表」と「実名報道」は異なります。その上で、次のような論点があります。 「