「これまで講演されていたような焼き直しばかりで、目新しい内容は何もなかった」 具体的な現場の臨床や取り組み例などを期待してやって来た引きこもり本人やその家族たちは、そう言ってガッカリと肩を落としていた。 「引きこもり」セミナーなのに 引きこもりへの配慮がない!? みぞれの舞う東京大学・安田講堂(東京都文京区)。日中の最高気温がわずか4度と、凍てつくような寒さの2010年2月13日、内閣府主催(厚労省後援)の公開講座「ひきこもりを考える」が開かれた。そして、こんな悪天候の土曜日にもかかわらず、会場の講堂内は2階席までギッシリ埋まる1000人以上もの受講者で溢れ、改めて引きこもり問題に対する関心の高さを伺わせた。 中でも、特筆すべきは、厚労省が今年3月中に公表する予定の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン(案)」の概要が、初めて紹介されたことだ。この新ガイドライン案については、後に触れ