芥川賞作家・西村賢太氏はネット界で絶大な人気を誇る。中卒で働いてきて44歳で芥川賞受賞。「格差社会のヒーロー」という呼び声に本人はどう考えているのか。連続インタビューの第2回。(聞き手=神田憲行) --西村さんの生い立ちから、「格差社会のヒーロー」という見方があります。 西村:うーん、ネットで格差社会恨んでいる人って、たんに努力していないだけでしょう(笑)。自分なりの努力をしていない。ネットにかじりついている暇があったら窓をあけて外の世界を眺め、自分の胸に手を当てて越しかた行く末について考えた方が良いんじゃないかな(笑)。 --すいません、怠け者の北町貫多のモデルのお言葉とは思えませんが(笑)。 西村:いやいや、貫多も僕も努力できない人間なんですよ。だからわかるんです。 それに小説界も格差社会ですよ。小説の実力云々というより、上の引きとか作家同士の関係性で小説の判断がされてしまう。誰が気に