本稿では,OpenTrans.itというコミュニティバス向けの情報提供ポータルを開発し,バス停や時刻表データを提供する実験を紹介する.コミュニティバスの利用促進のためには,適切な手段やタイミングでの情報提供が必要であるが,現在は紙媒体やWebなどに限られており,一般の乗換案内やスマートフォンの地図アプリケーションなどからは情報を得られない.ここでは,GTFSという世界標準形式でオープンデータとして提供し,さらにバスに搭載したスマートフォンからロケーション情報とバス停ごとの乗降人数をリアルタイムに配信した.2015年1月から静岡県掛川,御前崎,裾野市との協力で実証実験を開始し,ハッカソンという地域の課題解決に関心を持つソフトウェア開発者を集めたイベントを開催しアプリケーション開発を始めたほか,Google Mapsへの情報提供などを試みている.
![オープンデータが変える公共交通 〜新しいサービス・新しい利用促進〜 (IODD2015掛川会場 基調講演)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4de2a21a3b00768d426ef98c9736fb3679202337/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.slidesharecdn.com%2Fss_thumbnails%2Fiodd2015-150222021649-conversion-gate02-thumbnail.jpg%3Fwidth%3D640%26height%3D640%26fit%3Dbounds)