東日本大震災と福島第一原子力発電所の大事故は、巨大科学技術の抱える問題を「自ら考えるべき切実な課題とせよ」と我々に突きつけている。だが、専門家でも意見が割れ、日々の生活にどうしても意識を取られる私たちには、どのような思考、議論がありえるだろう。 社会、そして「素人」である我々は科学とどうやればうまくつき合っていけるのか。科学技術はどうガバナンスされるべきなのか。この難題を、「科学技術社会論(STS)」を専門とする、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授の平川秀幸氏に聞いた。 ―― ご専門の「科学技術社会論」とは、どのような学問なのでしょうか? 平川 科学技術自体は理系に分類されるものですが、科学技術と社会との関わりについては、人文・社会科学系の議論が必要になります。新しい科学技術はどのように生み出され、社会のなかで使われるのか、その結果、社会にどのような影響がもたらされるのか。
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