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統計データ分析家。元立教大学大学院ビジネスデザイン研究科兼任講師。1951年生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。同大学院単位取得済修了。(財)国民経済研究協会研究部長、常務理事を歴任。現在、アルファ社会科学(株)主席研究員。インターネット上で「社会実情データ図録」サイトを主宰。 本川裕の社会実情データ・エッセイ 本連載では、統計データの動きを独自に整理、グラフ化することによって、意外な社会の動きやわが国の状況を追って行きたいと考えている。もっとも堅苦しいものではなく、趣味的な個人の嗜好も含めたざっくばらんなものとしたい。体系的な思想というよりエッセイ形式で人間習俗(モラル)を観察したモラリストの伝統に連なれればと考え、連載タイトルにエッセイという用語を含めた。 バックナンバー一覧 日本ではなぜか使われない 所得格差の国際的な標準指標 私は常々、日本については、国際的な標準指標で所得格差
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サンドウィッチ工場を新設する英国の食品会社が、ハンガリーから従業員300人を連れて来るというニュースが英国内で物議を醸している。 UKのブルーカラーの職場が外国人に占領されつつあるという状況は今に始まったことではないので、なんで今さら。と思うのだが、そこで作られるものがサンドウィッチというのが今回の騒ぎの原因のようだ。英国人にとってサンドウィッチとは、日本のおにぎりのようなものである。食パンに具を挟んで三角形に切ったあの食べ物は、ケント州にあるサンドウィッチという地域の領主が好んで食べたことから名前がついた英国のソウルフードだ。日本人が「おにぎりの具は何が好き?」と語り合うように、英国人はサンドウィッチの具で議論する。 その英国人の魂とも言える食べ物を作る工場が外国人をリクルートして来ている。という話題にはやはり心情的にスルーできないものがあるらしく、BBCのディベート番組でも識者が真顔で
FORHAD SHILPI “Free Schooling is Not Really Free for the Poor: Corruption in Education and Inequality” (November 18, 2013) 包括的経済成長を推し進めるうえで、教育が最も重要な政策手段の一つであるということは、研究者や政策決定者の間で広く合意を得ている。例えば、Stiglitz (2012, P. 275)では「機会は、他の何よりもまず教育へのアクセスによって作り出される」としているし、Rajan (2010, P.184) は「…不必要な所得格差を減らす最善の方法は、より良い人的資本へのアクセスの格差を減らすことである。」と主張している。貧困層の人的資本形成に力点を置くことは、一石三鳥だ。というのも、(1)人的資本はあらゆる貧困層が”保有する”唯一の資産であり、(2)譲
失職女子 第三話 ダダダッ! と階段を駆け下りて、生活支援課の窓口に駆け込んだ私。そこで失業保険がおりず、住宅を失う恐れのある、私のような最下層カーストの者にも、ありがたいことに救済措置があるらしい! ということを初めて知りました。 それは「総合支援資金貸付」という制度で、区からお金をお借りする制度です。金利が1.5%で、原則3カ月間、お金を借りることができる、とのこと。 「お借りしたいです!」 と、私は意気込んでお願いしました。3カ月とはいえ、皮一枚でクビがつながったかもしれない……! と、私は本当に、本当に、心の底から、ありがたい気持ちで一杯でした。しかも、金利1.5%ってところが、ひっじょ~うに、ありがたかった。 事前に私がリサーチしたところ、民間でお借りできるところは、安くても、3%はあったから。 一応、ね、「ハローワークで失業保険がでない場合、どうするか?」というイメージは、事前
社会に受け皿がない。単身女性3人に1人が貧困 女性ホームレスはめったに見かけないという人が多いかもしれない。 しかし、女性ホームレスは確実に存在する。 雨宮処凛さんが出会ったホームレス状態の女性たちとは? 夜間は「身を隠す」ことに必死 「単身女性の3人に1人が貧困」。昨年末に発表されたこの数字はこの国の人々に大きな衝撃を与え、「貧困女子」なる言葉も生み出した。 「だけど、ホームレスはみんな男性で、女性ホームレスなんて見たことがない」という人もいるかもしれない。が、数こそ少ないものの、「見えづらい」だけで女性ホームレスは確実に存在する。 女性の場合、路上生活はさまざまな危険にさらされることから、本人が必死に「気づかれない」ようにしていることも多い。年越し派遣村の翌年、09年末から10年明けにかけて開催された「公設派遣村」にも、女性の姿はちらほらとあった。中には、20代の女性もいた。 さまざま
生活保護を受給していた奈良県大和郡山市の女性(47)が、次女が市役所を訪れた際、職員から書類名を隠したまま生活保護の辞退届を記入させられ、保護費を打ち切られたとして、市を相手取り慰謝料150万円の支払いを求めて奈良地裁に提訴している。市は女性の抗議に取り合わず、辞退届の開示請求も当初は拒否するなど不誠実な対応を続けたという。近年は生活保護受給者の増加や不正受給の横行が自治体の財政を圧迫。これに対し自治体が窓口で受給を一方的に阻止する「水際作戦」も問題となっており、今回の大和郡山市の対応に保護費をめぐるこうした背景を指摘する声もある。(山本考志) 職員に囲まれ 訴状などによると、女性の20代の次女は平成19年3月5日、生活保護を担当する同市厚生福祉課に保護費を受け取りに訪れた際、職員に「ちょっと話したいことがある」と言われ、課内の奥にあるパーテーションで区切られた別室に通された。 次女はそこ
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