9年前愛知県で、はいかいしていた認知症の男性が電車にはねられ死亡した事故を巡り、JRが対応にかかった費用の賠償を男性の家族に求めている裁判が最高裁判所で開かれました。JRが「家族には、はいかいを防ぐ義務があった」と主張したのに対して、家族側は「一瞬も目を離さずに見守るのは不可能だ」と反論しました。 最高裁判所で開かれた弁論でJRは、上告の理由について「長男は同居していなかったが、介護の方針を実質的に決めていた。2人には、はいかいを防ぐ監督義務があったのに対策を怠っていた」と主張しました。一方、家族の弁護士は「監督義務を負わせると、家族の負担は一層過酷になる。家族が一瞬も目を離さずに見守るのは不可能だ」と反論しました。判決は来月1日に言い渡されることになり、認知症の人が事故を起こした場合の家族の責任について、最高裁がどう判断するか注目されます。