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戦後の日本社会は、地方から都市へと人材が流動化することによって、新たな活力が生まれ、発展の原動力となってきた。人に気付かれない「匿名性」が都市に担保されることで、多様な人材がしがらみなく結びつくことができたのだ。ただ、最近はソーシャルメディアの普及で、つながりが強化され、「匿名」で自由に動きまわることが難しくなっている。ソーシャル監視網とも言える状況の中で、都市の創造性を維持することができるのだろうか。
【構成・高久潤】電車に乗って周囲を見回すとスマートフォンをいじってどこかにつながる人ばかり。今の社会の特徴を「接続過剰」と呼ぶ哲学者の千葉雅也さんと、かつて「逃走」という言葉で消費社会の最先端を語った批評家の浅田彰さんに「つながる」社会の行方を聞いた。 【接続過剰とは?】 ――「接続過剰」とは、どういう意味ですか。 千葉 今のネット社会では、ささいなことまでソーシャルネットワーク(SNS)などで「共有」され「可視化」されている。スマホも普及し、生活の細部と細部がかつてない規模でつながる。「接続過剰」とはそういう意味です。 接続が過剰になると、相互監視に等しくなってしまう。ネット上での「楽しい相互監視」が、国家や企業が推進する「監視・管理社会」化を暗にサポートすることになっていないかと考えています。 SNSは、適度に参加すれば、アイデアを得たり、共に考えたりできますが、重要なのは「適度」で、
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