NHKの“番審”で考えたこと(1/4) 4年間、NHKの関東甲信越地方番組審議会の委員をつとめ、このたび退任した。番組審議会(番審)は放送法上、必要不可欠な権威ある機関である。関東甲信越各地からの委員のいろんな意見を聞かせていただき面白かった。 政府の委員会では、官僚ばかりが説明して委員の発言の時間が少ないが、番審に関する限り、2時間のうちほとんど委員が意見をしゃべっていて、NHKの方々はメモの取り続けである。番組の構成、放送時間帯、ドラマやドキュメンタリーの作り方、バラエティの“ダサさ”、ニュースの常套句やアナウンサーの発音をめぐる意見まで、委員の発言は多岐に渡る。 どうでもいいようなニュースを定時に繰り返している、という意見もあったし、農業にしても天気予報にしても東京を軸に構成されている、という意見もあった。たとえば農家や漁師など生産者ではなく、消費者側に寄った解説が目立つとか、台