三洋電機が、充電池「エネループ」の生産を含むニッケル水素電池事業の一部を売却することが28日、分かった。パナソニックによる同社の株式公開買い付け(TOB)に向けた海外での独占禁止法審査で、ニッケル水素電池の高いシェアが障害になっていた。 売却するのは、三洋電機の完全子会社、三洋エナジートワイセル(群馬県高崎市)。主にエネループと工業用のニッケル水素電池を開発・製造しており、売上高は約360億円で、従業員は約460人。売却先は国内の電子部品メーカーとみられる。エネループの販売は引き続き同社で行う。ハイブリッド自動車(HV)用のニッケル水素電池事業は継続する。 三洋とパナソニックのニッケル水素電池事業を合わせると、世界シェアは約9割となる。TOBに向け、米国や中国の当局が進めている独禁法の審査で承認が得られておらず、問題視されていた。とくに売り上げの大きい電動工具用電池の売却が不可避で、それに