『モテたい理由』(講談社現代新書)という本を書いた。 モテ、モテ、モテ、と昨今強迫神経症のように言われているが、「人々がなぜモテたいか?」という本では、ない。人々の多くは「モテたい」と思う前に「モテ強迫」に包囲されたからだ。私も含め。実を言えば「モテたい理由」は編集部が知恵を絞ってつけてくれたタイトルである。けれど言われてみれば、私はそういうことを書いた。これだけ人々が「モテ」を考えさせられるからには、そのことの理由と歴史的必然があるはずだ。その驚愕の真実は! 本当に驚愕なので……ここで手短には言えません。 「モテ」というのは、字義通りモテなのではない。「関係性ですべてが判断される時代」のことだ。関係性がすべてならば、それがもとから得意な女性はさらに「それだけ」になり、不得手である男性には、立場がなくなる。 これは実は、私が自分のために書いたことかもしれない。メディア情報に包囲され、