雑誌『電気と工事』に書いたエッセイの再録 まずお財布をだしてみよう。そして紙幣を広げてみる。おなじみの面々の顔や建物(守礼の門)があるだろうけど、その横に大きく「日本銀行券」とか「日本銀行」の文字があるだろう。この紙幣が日本銀行が発行したものであることがわかる。 さて実はこの事実を知るだけで、もう今回のテーマである、日本がなんでこんなに停滞しているかの答えがわかってしまう。とりあえずいまは頭の中に国内で流通するお札は日本銀行「だけ」が供給しているってことを覚えておこう。 日本が「失われた20年」だとか、あるいは「世界経済危機」だとかで、ず〜っと長期の停滞にはまっているのはみなさんも十分ご存じだろう。最近では、円高やデフレのせいで日本の企業も働く人たちの生活も大変な状況だ。いまの円高やデフレがどうして日本の経済にダメージを与えているかを簡単に説明してしまおう。 ところでよく新聞ではデフレとか