「システムエンジニア(SE)って、よく分からないけど格好良さそうなので希望してみた」。1990年当時、友人のN君が金融機関の就職面接の後、言った言葉だ。あれから27年経つ今、SEという呼び名の職種は、定義や実態がまたよく分からなくなってきている。 一般にはこれまで、プログラマ(PG)の上位職で、要件定義から設計までの責任を持つエンジニア、といった認識だった。2000年前後に破たんプロジェクトが増えると、プロジェクトマネジャー(PM)がもてはやされ、SEの上位職として位置づけられる。IT現場は、PM、SE(アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア)、PGをそろえて、ウォーターフォール型の工程で規模に合わせて人員をそろえればよかった。 この形が通用しないプロジェクトが、今増えつつある。新たなITで新サービスや新事業を立ち上げる、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの流れに乗ったシステ