【精進(3)】 私は中学、高校とテニス部でしたが、対戦相手と試合する時、 試合がまだ始まらなくても、 ボールをぽーんとこちらのコートに返すしぐさ一つで、 サーブを待つときのポーズ一つで、 「やべー、強いな」とピンときたものです。 何にでも長期にわたって、 重ねて重ねての練習に裏付けられた立ち振る舞い、 というのがあるのでしょう。 その場だけ、熟練者のふりをしても そのしぐさで、その目の動きで見抜かれます。 宮本武蔵はたくさんの敵に囲まれたときに、 勝利する秘訣として、 まずたくさんの敵から誰が一番強いか、を見抜けと書いています。 武蔵ほどになると、敵の剣の構えや表情から、 一番強い敵をすばやく見抜く眼力を持っていたのでしょう。 私たちは剣の達人ではありませんが それでもちょっと言葉を交わしただけで、 「かなり本読んできた人だな」 「相当、人間関係でもまれてきた人だな」 とわかることがありま