関取5名、計27名の力士を抱える九重部屋。由緒ある同部屋を牽引するのは、元大関・千代大海の九重親方(46歳)だ。歴代1位タイの大関在位65場所という記録を残した「ツッパリ大関」は、いかにして相撲道に邁進することになったのか。ロングインタビュー前編では、九州全域に名を轟かせる不良だった少年時代の思い出や、先代九重親方である第58代横綱・千代の富士との出会いについて話を聞いた。(全3回の1回目/#2、#3へ) ◆◆◆ 運動神経抜群だった幼少期 ――親方は幼少期に柔道の経験があると伺いました。その頃から体は大きかったのでしょうか。 幼稚園の頃は、写真で見るかぎり周りの子より頭ひとつ大きいですね。1年に10キロずつ体重が増えて、5、6歳でもう50キロくらいありました。やんちゃで、朝から晩まで公園や海で遊んでいました。体は大きかったけど足が速くて、かけっこで2位以下になったことがありません。自転車も