近年、キャッシュレス決済は我々の生活に定着しつつあるが、残念ながらクレジットカードの不正利用やQRコード決済の不正アクセスなどのさまざまな手口のセキュリティインシデントが後を絶たない。不正アクセスによる情報漏洩は個人の財産を失わせ、企業としての信頼を大きく失墜させるため、キャッシュレス決済のさらなる促進にはセキュリティ対策は不可欠であり、もはや経営リスクとして取り組むべき課題である。 筆者は、数多くの金融決済インフラの導入提案を経験していることから、日本における決済市場の最新動向やクレジットカードのグローバルセキュリティ基準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)について、事業継続の視点で解説する。 国内のキャッシュレス決済はクレジットカードが8割 キャッシュレス推進協議会が2022年8月に公表した「キャッシュレス・ロ