低料金や綿密な路線網を背景に需要が高まる高速バス。深夜に出発し早朝に目的地へ到着する便も多く、「眠っている間に着いて時間的ロスも少ない」として訪日外国人客らにも人気だが、首都の玄関口・東京駅や新宿の主要乗り場ではバス待ちの環境整備が追いつかず、週末の夜ともなると待合室に入りきらない大勢の人が路上にあふれる異様な光景が広がる。来年には東京五輪も控え、今後も利用者の増加が見込まれる中、改善を望む声が相次いでいる。(大渡美咲) 【写真】歩道上でバスを待つ人たち ■「時間の無駄」 JR東京駅八重洲南口の「JR高速バスのりば」。4月半ばの平日の夜にもかかわらず、スーツケースを抱えた利用客らが行き場をなくし、路上に群れをなしていた。花壇の縁や、駅構内の床にそのまま座り込んでいる若者の姿も目につく。 大阪府寝屋川市の50代の姉妹は、コンサートで東京を訪れた。午後9時半前の新幹線最終に間に合わず、高速バス