成長への道筋をつけたのは誰か アップルのスティーブ・ジョブズについては誰もが知っていても、マイク・マークラと聞いてピンとくる人はどれだけいるだろうか? マークラはアップルの初代会長だ。アップルに創業資金を提供し、当初はジョブズと並ぶ大株主だった。新規株式公開(IPO)に向けてビジネスプランを書いたほか、社長をはじめ経営幹部をスカウトするなど、初期のアップルで決定的な役割を果たしている。 世間的にはジョブズがアップルの顔だ。作家ウォルター・アイザクソンが書いた世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』(講談社)が決定打になり、シリコンバレーを代表するヒーローになっている。 一方、歴史学者レスリー・バーリンによる『トラブルメーカーズ 「異端児」たちはいかにしてシリコンバレーを創ったのか?』は、まったく異なる景色を描いている。ガレージで生まれたスタートアップが大企業へ成長する道筋を付けたのはマー