戦場での後方支援や要人の警護などを請け負い、イラクやアフガニスタンでその存在感を発揮した「民間軍事会社」。正規軍の代わりに戦闘行為を代行する団体と誤解を受けることも多いが、実は彼らの業務の多くは非武装で行われる。退役軍人などが中核を成す「民間軍事会社」はいったい戦場で何をしているのか。国際政治アナリストの菅原出氏に伺った。(取材・構成/増田穂) ――「民間軍事会社」とはどのような組織なのですか。 「民間軍事会社」という名称はメディアや研究者が便宜上使っているものであって、そのような正式な業種があるわけではありません。例えば「警備会社」であれば、警備事業法に基づいて特定の許認可を受けた会社が「警備会社」として警備事業を行うことが出来ますが、「民間軍事会社」については、同様の法的なステータスがあるわけではないのです。自らを「民間軍事会社」と呼ぶ企業もほとんどありません。ただ、元軍人たちが、軍隊
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