私はお酒をやめたアルコール依存症者だ。 元々酒は好きだったが、学生生活を終えて就職後に飲んだ酒には「苦い記憶」がつまっている。 大人の壁にぶつかっては飲み。世間の常識に自分を従わせるために飲んだ。 私にとっての酒とは、「大人を演じるための道具」だった。 酒を飲むという行為や動作のことではなく、酒の力をかりて自分を解放させてやる必要に迫られたのだ。なぜなのか。 なぜ、自己解放が必要だったのか? 私は世間の常識に囚われすぎたのだ。 安定した大企業に勤めるべき・・・。上司には従うべき・・・。家庭をもつべき・・・。 いわゆる世間の常識に従っただけで、これらは全て「自分が望むこと」ではなかったのだ。 当然、これには常に自分との葛藤がつきまとう。「俺はこうしたい!」と願う自分を強力に押さえ込む必要があった。 そこで私は酒の力を借りたのだ。そして「一時的な成功」を手中におさめた。 だが所詮、酒の力を借り