「鶏むね肉」が最近、疲労回復に効果があると注目されている。渡り鳥が何日も休むことなく飛び続けるのをヒントに、研究が行われてきた。渡り鳥の羽を動かすむね肉に、高濃度の「イミダペプチド」という栄養素があることがわかった。 「2週間以上、継続的にイミダペプチドを摂取すると、疲労感が改善されてきます」。実験の中心となった東京都目黒区の阿部医院院長で、東京内科医会副会長の清水恵一郎さんは説明する。 イミダペプチドは二つのアミノ酸(生命を支えている大切な栄養素)が結合した物質だ。これを摂取すると血液中で二つのアミノ酸に分解するが、脳や肉体の疲労してさびついた細胞に達すると、再びイミダペプチドに合成され、疲労部分を回復してくれる。 イミダペプチドは生き物ごとに、消耗が激しく疲れがたまりやすい部位に含まれている。回遊魚のマグロ、カツオは泳ぎ続けるために大事な尾びれの付け根。人間は一番使っている脳だ。