世界でもっとも経済が洗練されている国は日本──それが本書Why Information Growsの著者セザー・ヒダルゴらの開発した「経済複雑性」という独自の指標から導き出された結論だ。 日本が経済大国と呼ばれるようになって久しい。近年になって世界第2の経済大国(GDPベース)の地位を中国に明け渡し、ひとりあたりGDPではすでに他の先進国に大きく水を開けられている日本だが、著者らが開発した「経済複雑性指標」では2000年以降、日本が16年連続で世界第1位を維持しつづけている(詳しくは経済複雑性観測所〔The Observatory of Economic Complexity〕 のサイトを参照)。 この経済複雑性指標とはいったい何物なのか? 経済の複雑さについて説明するとき、ヒダルゴ氏がよく引き合いに出す例が2種類のアップルだ。ひとつはアップル製品という意味のアップルで、いまひとつは自然界
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