火星のアルシア山山頂付近からは、最長1800kmの雲が伸びることがある。探査機マーズ・エクスプレスの監視カメラにより、その全貌がとらえられた。 【2021年3月16日 ヨーロッパ宇宙機関】 火星のアルシア山は、平原から測ると標高が20kmにも達する大火山だ。その山頂付近からときおり雲が伸びている様子が、火星上空を周回する探査機によってとらえられている。一見、火山が噴火しているように見えるが、実際には火山活動が起こっているわけではないらしい。 アルシア山は火星の赤道からやや南に離れたところに位置している。雲は決まって、火星の南半球が春や夏のころ、アルシア山が日の出を迎えるころに出現し、朝のうちに西へと成長し、午後には消えてしまう。火星探査機の多くは午後になるまでこの地域を撮影できない軌道を飛行しているため、この雲をとらえて詳細に分析するのは難しかった。 アルシア山山頂付近で発生する雲の動画。
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