ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (6)

  • 能力主義は魅力的である(読書メモ:『実力も運のうち』②) - 道徳的動物日記

    実力も運のうち 能力主義は正義か? 作者:マイケル サンデル 発売日: 2021/04/14 メディア: Kindle版 前回の記事で論じたように、サンデルによる能力主義批判の核心は、能力主義が人々の「心情」に与える影響についての議論にある。 生まれ落ちた環境のちがいや才能の有無などの「運」の要素を無いものとする能力主義では、ある人の成功はその人自身の能力と努力と意志が成せるものだと認識されて、ある人の失敗はその人自身の無能さや怠惰さが原因であると認識されてしまう。結果として、能力主義社会の勝者たちは驕りを抱き、敗者のことを侮蔑するようになる。そして、能力主義のロジックを内面化した敗者たちは屈辱を感じるようになるのだ……というのが、サンデルの主張のポイントだ。 とはいえ、『実力も運のうち』というの面白いところは、批判対象である能力主義のロジックの魅力についても、ある程度までは説明されてい

    能力主義は魅力的である(読書メモ:『実力も運のうち』②) - 道徳的動物日記
    kerokimu
    kerokimu 2021/06/07
  • 道徳と恋愛は相性が悪い - 道徳的動物日記

    道徳形而上学の基礎づけ (光文社古典新訳文庫) 作者:カント 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 先日に「性的モノ化」についてあーだこーだ書いたが、それと関連しているかもしれない内容。 フェミニズムとかジェンダー論とかが市井に浸透して、男性たちもそういう考え方を学ぶことによって生じている副作用とか弊害とかのひとつが、「性愛や女性との関わり方に関する道徳を学んで実践することで、女性と仲良くなったり女性からの信頼を得られたりすることができる」と感じてしまう男性があらわれることだ。 つまり、男性の側が性や愛について「ただしい」意見を言ったり「正解」の振る舞い方をしたりすると、女性の側から仲良くなってくれたり優しくしてくれたりこちらを信頼してくれたりするなどのご褒美が与えられるはずである、という期待や予断のような感覚を抱く男性が増えているかもしれない、ということである。 す

    道徳と恋愛は相性が悪い - 道徳的動物日記
    kerokimu
    kerokimu 2021/03/16
    ちゃんと読んでないけど、よしながふみの「愛すべき女達」を思い出した。マルクス主義者の孫が誰かを愛す事は分け隔てる事だと感じてしまい、修道院に入るという話しがある。
  • 「男性同士のケア」が難しい理由 - 道徳的動物日記

    2024/5/15 追記:この記事で取り上げているの邦訳が出版されます。 男はなぜ孤独死するのか 男たちの成功の代償 作者:トーマス・ジョイナー 晶文社 Amazon 近頃では、「これからは男性同士でもケアし合わなければならない」と言った主張がちらほらとされるようになっている。 この主張がされる文脈は様々だ。「これまでの社会は女性にケア役割を押し付けていたが、これからは男性も平等にケア役割を担うべきである」という問題意識に連なる主張である場合もあるだろう。 また、女性の恋人やがいないことで「女性からの承認」を得られないと悩んだり「孤独」になることを恐れる男性に対して、「そもそも"自分は異性のパートナーにケアしてもらうべきだ"という発想を捨てて、同性との相互にケアし合う関係を築く可能性に目を向けてみるべきだ」という批判込みのアドバイス的な意味合いで、「男性同士のケア」が提唱される場合もあ

    「男性同士のケア」が難しい理由 - 道徳的動物日記
    kerokimu
    kerokimu 2020/11/11
    “大半の男性は友人の作り方や関係の維持の仕方を学生時代のうちに習得していないから、新たな友人を作ることが困難なのだ。”私じゃん?大人になってから全然友達できんわ
  • ジェンダー論が男性を救わない理由 - 道徳的動物日記

    Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success 作者: Thomas Joiner Ph.D. 出版社/メーカー: St. Martin's Press 発売日: 2011/10/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 思うところあって、トマス・ジョイナーの『Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success(てっぺんで一人ぼっち:男性の成功の高い代償)』を数年ぶりに読み返している。 2017年に、このの内容を紹介する記事を書いた*1。そのしばらく後には、社会学者の平山亮による「男性が自殺するのは支配欲が原因」発言を批判した*2。そして2019年には「有害な男らしさ」概念がフェミニズムやジェンダー論の文脈で流行するようになり、「有害な男らしさ」概念についての批判記事を

    ジェンダー論が男性を救わない理由 - 道徳的動物日記
    kerokimu
    kerokimu 2020/11/07
    “多くの男性が他人との関係やコミュニケーションを維持する方法を学ばないまま成長してしまうことも、孤独をもたらす原因”まんま自分に当たりそうでゲラゲラしてる。人と関係を続けていくのって難しいよね。
  • 「叩いていい存在」を叩く行為と、ネット民の幼児性について - 道徳的動物日記

    oriza.seinendan.org 平田オリザ騒動についての雑感。 ある有名人が人の癇にさわるようなことを言う。わたし自身としてもその発言を見聞して不愉快な気持ちになり、身内との会話でその話題を出して文句を言ったり愚痴ったりすることもあれば、SNSにネガティブな意見を書き込むこともある。 とはいえ、その人物を批判して糾弾することがネット上の潮流となっていることを知れば、自分からわざわざその人物を批判することはほとんどない。すでに他人が言ったり書いたりしていることを再生産することは意味のないことであるからだ。他の人たちが書いている意見がわたしのものとは異なっていて、自分の抱いている意見や感情がまだ誰にも代弁されていないな、と思ったら自分から表現する場合もあるけれど。 しかし、ある人がネット上で「パブリックエネミー」と扱われはじめて、その人に対する批判意見なら何を言ってもいいという段階にな

    「叩いていい存在」を叩く行為と、ネット民の幼児性について - 道徳的動物日記
    kerokimu
    kerokimu 2020/05/10
    人は流されやすく、影響されやすいもの。 後から見返した時に悶絶しないブコメを心がけたい。
  • 「男性のつらさ」論についての雑感 - 道徳的動物日記

    前回の記事の続き…と言いたいところだが、大したことが書けそうにないので箇条書きで。 ●議論が盛り上がるきっかけとなった「男性のつらさの構造」記事では、男性のつらさの原因の一つを「女性の高望み」と分析していた。そして、それに対する解決策の一つとして「女性の意識改革」を主張したために、あちこちから批判されることになってしまった。 しかし、いわゆる「女性の上方婚」志向が存在して、それが男性にとっての経済力獲得プレッシャーやそれに伴うストレスや孤立の原因となっていることは、事実だと私も思う。進化心理学や経済学、あるいはジャーナリズムや文学など様々なジャンルのメディアにおいて、「女性の上方婚」の存在の実証やその原因の解説、具体例などを見つけることができる。普通に生きていて友人や知人や見知らぬ人々の会話をしていたり、SNSにおける人々の書き込みを見ていても、「女性の上方婚」志向の存在は感じられるものだ

    「男性のつらさ」論についての雑感 - 道徳的動物日記
    kerokimu
    kerokimu 2019/06/25
    自体は複雑に入り組んでいるのだから、まず誰々が何々せよってのは無理だと思う。同時並行的に行くといいよね。女性も男性も。
  • 1