政府はアイヌ民族の文化伝承を目的に北海道白老町に国立の「民族共生象徴空間」を整備し、2020年4月に開業予定だ。2019年の通常国会では、法律に初めてアイヌ民族を「先住民族」と明記した「アイヌ新法」が成立する見通しだ。なぜ、この時期なのか、過去の経緯を振り返りつつ、その意味合いを考える。 政府は2019年通常国会に「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案」(報道では「アイヌ新法」案と呼ばれている)を提出し、成立を目指している。これは現行の通称「アイヌ文化振興法」を廃止し、置き換えようというものである。一方、政府の法案に反対するアイヌたちは3月1日、日本外国特派員協会で会見を開き、今回の政府案には欧米諸国が先住民族に認めている土地や漁業権などの権利回復が盛り込まれていないと批判し、撤回を求めた。(編集部注 : 法律は4月19日に可決成立した) アイヌ民族に
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