映画を観たのである。というのも、ツタヤ・ディスカスでは、上位にちゃんと観るべき映画を挙げていても、下位のほうにある、何もなくなったら観るか、と思っているのを送ってくるからである。もっともこの映画を入れておいたのは、さる精神を病んでいる知人が絶賛していたからでもある。 絶賛でふと思い出したが、書店へ行くと本の帯に「誰それさん大絶賛」などと書いてあるが、見苦しいからやめてほしい。「絶賛」だけで既に最上級なのに、それに大をつけるなバカ。こないだは「大推薦」なんてのがあったが、もう知能指数50か、ってところだ。最近では「大」じゃなくて「神展開」とか「ネ申」とか書いて自分のバカさをさらけだしている奴がいる。 しかし『バチスタの栄光』はひどかった。売れた割に直木賞候補にもならなかったが、かつて瀬名秀明の『パラサイト・イヴ』を黙殺した時と同じく、伊達に直木賞じゃないなと思ったものである。海堂とかいう医師