夫が帰って行った。 一泊の割に、負荷が重かった。 「はぁ〜・・・・。」 ため息をつく。夫のため息は子供と似ていて、突っ込んでくれ、どうしたのと言ってくれと待っているのがわかる。 その度にわたしは陽気な声で「なんなのよ、辛気くさい」と水を向け、彼が胸の閊えがなくなるまで、ダラダラとはなす。 「なるようにしかならないじゃん」 「だいじょうぶ、だいじょうぶ」 と強気に返事をし、何事もなかったかのように家事にもどる。 大事な人が弱っていると、すべてを投げ出して全力でかばおうとする癖がある。 反射的にとにかくその人を守ってあげたいと思うのだ。 夫は違う。 どんなに私が弱っても、手を貸さない。話してごらんとも言わない。 なにげなく、気を使ったり、優しくしたりもしない。 どんなときも、フラット。自分が忙しかったり疲れていれば先に寝るし、行きたいところがあれば、出かけて行く。 それを寂しく思うときもあった