ルーマニア生まれ、ニューヨーク育ちのサーシャ・レッカ。本来の仕事は、フォトエディターだ。現在の職場であるローリンング・ストーン誌も含め、著名な雑誌で活躍してきた。しばしば優れた写真は、写真を本職としない者の手によって生まれるが、彼もそうした才能を持つ一人である。 インスタグラムでの彼の写真スタイルは、ルポルタージュ、あるいはドキュメンタリーである。ニューヨークを中心に社会的、政治的なものまで含んださまざまなハプニング、あるいは日常を切り取っている。 とりわけ、ライフワークとも言えるライブ・ミュージック・シーンのシリーズは、多大なヴォリュームを占め、彼の才能のみならず、人間性を読み取ることができる。ちなみに、ローリング・ストーン誌のアサイメント関連の写真もあるとはいえ、その大半は彼自身のプライベートな時間を割いて撮影したものだ。 彼には、写真哲学において、大きなリマインダー(心に留めているこ